この記事は 3分38秒 程で読んで頂けます。
以前のコラムでも、民泊について何度かご紹介させて頂きましたが、現在、大阪市内においてAirbnbを代表とする仲介サイトを介し、空き家や賃貸マンションの一室を利用した民泊が多くございます。
民泊を営んでいる物件は行政からの許可を受ける事無く、無許可で営業を行っているものがほとんどでしたが、
増加する訪日外国人客に対応するため、大阪市では国家戦略特別区域法に基づく外国人滞在施設経営事業の認定業務を平成28年10月31日より開始し、マンションなどの一室を活用した施設についても民泊営業ができるよう認定することにより、訪日外国人客の滞在施設の受け皿となる制度を実施することとなりました。
制度の実施に伴い、大阪市では違法民泊施設の取り締まりを強化するため、電話、ファックス及びメールによる「違法民泊通報窓口」を開設しました。
開設の背景には、民泊施設の近隣住民の方から、宿泊している外国人旅行者のマナーの悪さや犯罪の危険性、ごみの処理方法及び騒音等の不安の声が寄せられている事があるようです。
大阪市内に限っても、現時点でかなりの数の違法民泊施設がございますので、通報窓口が設置されたと言えど、実態の調査、指導にはある程度の時間がかかる事が予想されます。
しかしながら、今まではどこに苦情を言えば良いかはっきりとは分からなかった方も多く、違法民泊施設が放置されてきた現状がありますが、こちらの窓口が開設されたことにより、同じマンション内の住人や近隣の方からの通報などが増え、違法民泊施設は年々減少していくと考えられます。
一方、今まで無許可で民泊施設を運営していた方にとっては、こちらの窓口が設置された事により、摘発のリスクが高まりましたので、先にも述べました、国家戦略特別区域法に基づく外国人滞在施設経営事業の認定を申請し、合法的な民泊施設の運営を考えられる方も増加すると思われます。
国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業を開始しようとする場合は、特定認定申請書を提出する必要がございます。
添付書類としては、
・申請者が法人である場合には、定款又は寄付行為及び登記事項証明書
・申請者が個人である場合には、住民票の写し
・賃貸借契約及びこれに付随する契約に係る約款
・施設の構造設備を明らかにする図面
・施設の周辺地域の住民に対する説明の方法及びその記録(説明に使用した資料を含む)
・施設の周辺地域の住民からの苦情及び問合せに適切に対応するための体制及びその周知方法
(施設の構造設備及び滞在に必要な役務の提供等の概要を含む)
・消防法令適合通知書の写し
・水質検査成績書の写し(使用水が水道水以外の場合)
・賃貸物件の場合:施設に係る全ての賃貸借契約書の写し並びに所有者及び賃貸人が
事業の用に供することを承諾していることを証する書面の写し
・分譲物件の場合:管理規約に違反していないことを証する書面
・付近見取図
・居室内に備え付ける施設の使用方法に関する案内書
※日本語及び役務の提供において使用する外国語により作成されたもの。
以上の添付書類が必要で、申請手数料として21,200円が必要となります。
詳しい情報に関しましては、大阪市のホームページにご案内がございますので、興味をお持ちの方は、是非そちらをご覧くださいませ。
開始したばかりの制度ですので、私と致しましても今後の民泊全体の動向に注目し、機会がございましたらこちらのコラムにてご紹介させて頂きたいと思います。